成長の軌跡

小学校教員 「なりたい自分になりたい!在りたい自分で在りたい!」そんな思いを実現していくためのブログです。

緊急事態宣言の中、パチンコ屋に通い続ける人は悪なのか?

 コロナウィルスによる外出自粛要請の中、パチンコ屋に通い続ける人たちのことをどう思いますか。

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  こういった考えの人が多いのではないでしょうか。私も、この考え方に賛成していて、「早くパチンコ屋を閉じて、通う人は家にいてくれ!」と思っていました。しかし、今はこのパチンコ屋に通っている人たちもまた、被害者なのかもしれないと感じています。

 パチンコはギャンブルです。人生の長い間ずっとパチンコ屋に通い続けた人たちは、自分の意思を制御して『パチンコ屋に行かない』という選択肢を選ぶことができるのでしょうか。メディアは、パチンコ屋に通う人たちを悪く取り上げ、世間のパチンコ屋に通う人たち対する批判を煽ります。もちろん、通う人たちに非は十分にあると思いますが。

 

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このように、パチンコ屋に通う人たちの中でも極端なことを言う人たちばかりを取り上げるわけです。

 しかし、「やめたくてもやめられなくて」苦しんでいる人たちはいると思います。上の画像でインタビューを受けている人たちも、心の底では「やめたくてもやめられない」と感じているかもしれません。政府は要請を呼びかけるばかりで、パチンコ屋に通う人たちのケアをしようとしているようには思えません。

 

聖学大学心理福祉学部客員准教授 藤田孝典さんは以下のように述べる。

私は社会福祉領域で相談を受けて支援に関わってきたソーシャルワーカーである。

数々の軽度から重度に至る依存症患者を見てきた。なかには依存症から抜け出すことが叶わず、自他への自責の念から自死された方もいる。

ギャンブル依存症は人を死に至らしめる恐ろしい病気である。

ギャンブル依存症患者で重度になると、当然、社会生活に破綻をきたす。

ギャンブルの他にもアルコール、薬物、セックス、ゲーム、買い物など依存対象は様々だが、どれも過度に依存すれば同様の辛苦を味わう。

家庭内暴力、人間関係の破綻、家計破綻、多重債務、失業や解雇、窃盗や詐欺など刑事事件に発展する事例も珍しくない。

一日中、ギャンブルのことしか考えられず、ギャンブルが人生のすべてと言ってもよい。

つまり、ギャンブルに心身を支配され、人生の中心に居座られてしまう状態だ。

WHOも指摘する通り、そうなればすでに病気であり、患者に対する加療やケアが必要となる。

 

店舗に押し寄せるパチンコ客「コロナウイルス?関係ない」背景にある事情やギャンブル依存症対策の不十分さ(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

ギャンブル依存症の人たちは、自分の意志に関わらず、「パチンコ屋に通う」の選択しかできない可能性があります。今必要なのは、パチンコ屋に通う人に注意喚起するのと同時に、その人たちのギャンブル依存症へのケアではないでしょうか。

 

 このような状況下でもパチンコ屋に通い続ける人たちは、生活の中心をギャンブルに置いている可能性が高いです。普段は、店の利益のために損をすることが多いはずです。ギャンブルは店側が儲かるようにできているわけで、客を手放したくないためにも、そこから抜け出せないようなシステムになっているのです。

 そして、こういった緊急事態のときには、「パチンコ屋に通い続ける人は、馬鹿だ。意志薄弱だ。こういう人には給付金をあげる必要はない。」という言葉を浴びせられる。パチンコ屋に通い続ける人をただ批判するのではなく、依存症の可能性を考慮しつつ、通わないようにする必要があるのではないか。

 

 何事もそうですが、「パチンコ屋に行くか、行かないか。」「酒を飲むか、飲まないか。」「動画サイトを見るか、見ないか。」「ゲームをするか、しないか。」を自分で選択できなければなりません。自分で選択できない人は、社会的弱者と見なされ、搾取され、有事のときには非難されることだってある。

 娯楽を楽しむのは大切だが、自分が選択権をもてているか、常に考えて生きていきたい。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました^^